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執筆者の写真内山茜

Ambiguous Border

更新日:2021年4月9日


『踊りの振付は映像においてどんな物語をつむぐのか』


本映像は、その問いについての応答である。


2021年1月中旬から2月上旬にかけて、YouTubeにて『踊りをつくるlive配信』を実施した。

(参考:人肌くらげYouTubeチャンネル内再生リスト https://youtube.com/playlist?list=PLrktsPEiBYDvNO44tNVbR4EvKKhkicOsH


完成した踊りの振付から映像作品をつくるために下記の作業をおこなった。


1. 振付を分解する。

2. 分解した動きを近接で撮影する

3. (a)目的を持つ動き(=動詞)と、(b)踊りかもしれない動きに分類する

4. (a)が起こり得る状況を考え、再現映像を撮影する

5. 映像編集・構成は振付の順番に従い、(b)は2.の映像素材のみ使用する


上記の作業をおこなううちに、わたしの中で二つの興味深い現象が起きた。


ひとつめは、体の部位を映像に収めるとそれが人間ではない物体に見えてくることだ。

わたしの身体は絶対にわたしのものだと、無意識に驕る自分に気付く。

カメラを通して見た私の身体は生物学上のヒトではなく、世界に無数あるモノのうちのひとつだと思わされる。


ふたつめは、振付として構築した動きから新たな物語がうまれる兆しが見えたことである。

編集が進むにつれ、セリフや役名が登場しない一本の物語が徐々にあらわれ始めた。


フィクションだけれど本当はノンフィクションかもしれない。現実に存在する誰かの人生を見ているかもしれない。

この映像作品では、そんな曖昧な境界を探りながら演出をおこなった。



作品譜を読んで

まほさんの作品譜からは、彼女の身体性や世界をどんな風に受け止めているのかがひしひしと感じられる。

丁寧につむがれる言葉たちはずっしりと重く、わたしの身体を強く揺さぶった。


受け取った作品譜(彼女の表現)を元に振付を構築し、いちど分解して新たな別の表現が生まれる。

その一連の流れはまるで循環する生命のようだ。


2021年2月

内山茜



 ▽この作品はこちら▽


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