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執筆者の写真はらだまほ

内側、を引き出すための、外側

更新日:2020年11月5日


今日は、現段階で私が考える"振付"について考えてみる。






最近、振付は建築やデザインと同じだなあと思うことが多い。


コンテンポラリーダンス界ではよく聞く話だけれど、

街の設計は人の動線やスピード、隊形、感情を規程するもので、

これはそのまま作品の創り方と似ている。


大学時代、松田正隆さんの授業を初めて受けたときに、

「これは動線整理じゃないのか、、、?これが演出なんだ、、、」

と思ったのだけど、今は少し理解できる。、、、気がする。



例えば、映画館が入っている商業ビルのドアの前、ものすごく邪魔なところに1枚の壁がどーんと立っている。

目の前には車が行き交う道路がある。

おそらく、ビルから飛び出してそのまま道路に突っ込むことを予防したり。

(身体にブレーキをかけて、ぴたっと止まる。)

映画を見終わって出てきた人が塊のまま歩かないようにしたり。

(一度2手に分かれて、細長くなって連なる)


例えば、道が急に細くなっていたり。(隊形が2列から1列に。スピードがゆっくりに。)

例えば、歩道と車道の間に線が引いてあったり。(指示された動線どおりに歩く)

例えば、無機質/直線的なデザインで空間が埋まっていたり。(スタイリッシュな印象を与えると同時に緊張感も。)


街は、常に人々の身体に指示を出し、操作している。操作されている。


ここはこう進んで欲しいんだな、とか、ここを設計した人は振付下手だな、、、とか

思いながら歩いてる。



色、形状、サイズ、音、、、空間でその時抱く感覚や感情が変わる。

器、外側によって内側を引き出す。



私が大好きなピナバウシュにも共通点を見つけられるように思う。

感情を振り付けるのではなく、感情を引き出す動きを振り付ける。

内側を振り付けるのではなく、外側を振り付けることで内側を引き出す。


その動きをしたら、自然とその感情になる振付。


口角をニッとあげる、椅子をひたすらどける、、、、



街の設計のように、身体を操る指示を出すことで、演者が、観客が自ら感情や質感を獲得していく。


まだまだ研究中だから、まとまらないのだけど。

要は、身体の動作を具体的に、繊細に規程していくことで、質感や感情を獲得できるんじゃない?

という話。


この話が直結しているかどうかはわからないけど、以下のプロジェクトを進めています!笑

よかったらぜひみてみてください。



【現在進行中のプロジェクト】ことばとからだの往復書簡おどり工房プロジェクト


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